AIで当コラムのゴーストライターを作れるかを試しています。満足いくゴーストライターができるか、僕が飽きるまで続ける不定期連載です。今回はこれまでの取り組みをまとめます。
■この取り組みについて
当サイトは2024年6月現在、およそ22年にわたり、ほぼ毎日更新を続けています。
最近はやりの生成AI(ここではChatGPT-4o)を使い、僕の文章と同じクオリティのものを書かせられないか?ゴーストライターにすることができないか?という試みになります。
実際にゴーストライターにするわけではなく、今の生成AIでどこまでできるかを試す試みです。
ほか、細かい前提情報はこちらのページに載せておりますのでぜひ参照ください。
■僕の記事例(見本でありこの企画のゴール)と、AI記事初回アウトプット
この企画のゴールたる僕の記事の一例は以下のような形です(2024/6/15分)。ほかの記事もこちらのリンクやこちらのリンクからぜひご覧ください。何本か読んで特徴をつかんでいただくと、以降の内容がより楽しめると思います。
先日昼ご飯を食べに行ったところ、隣の席の男がから揚げにかなりの量のソースをかけていた。
そんなにかける?ていうか、から揚げにソース?あまり見たことないが…世の中にはそんな食べ方もあるのか…。
とか考えていたら、前の席の人にもから揚げ定食が運ばれてきた。そしてその人もソースをかけていた。
ええ?…まあ落ち着こう。ここで考えられる可能性は3つ。
1.実はから揚げにソースというのはごく普通で僕が知らないだけ
2.たまたま変わった趣向の人がここに二人いる
3.この店のから揚げの味が薄い
とにかく次回はから揚げ定食を試してみよう。と思いながら焼うどんを食べた。
その日の出来事や思ったことを簡潔かつ淡々と書き進めるスタイルです。細かい描写や必要以上の装飾はせずストレートに進めることを心がけています。オチらしいオチを付けずに終わらせることもあります。全体的なボリュームは250~400文字程度で、4~6段落に分けて書きます。
さて、まずは僕が書いた記事を100日分ほどAIに読ませて学習させ、その情報だけで一本書かせてみました。結果が以下です。(連載第1回)
今日はちょっと特別な一日だった。朝、いつものようにコーヒーを淹れながら、窓の外を眺めていると、久しぶりに虹が見えた。なんだか良いことが起こりそうな予感がした。
午前中はリモート会議が立て続けに3件あった。特に最後の会議では、新しいプロジェクトの提案をする場面があり、少し緊張したけれど、無事に終えることができた。上司からも「良い提案だった」と褒められて、ほっと一安心。
昼食は近所のカフェでサンドイッチをテイクアウト。ベンチに座って外で食べると、春の陽気が心地よく、リフレッシュできた。午後はデスクワークが中心だったけど、集中力が続いたおかげで、予定より早く仕事が片付いた。
夕方、少し時間があったので、久しぶりにギターを弾いてみた。好きな曲を弾いていると、いつの間にか時間が過ぎていて、気分も上々。音楽ってやっぱりいいなと再確認。
夜は簡単にパスタを作った。トマトソースにバジルをたっぷり入れて、美味しく仕上がった。食後にはチョコレートを一つ。これがまた至福のひととき。
さて、明日はどんな一日になるだろう。楽しみだ。おやすみなさい。
似ても似つかないものが出てきました。本当に100本読んだのかこいつはという感じですが、とにかくここから様々な手法でチューニングをかけていきます。
■もっと簡潔にしたい
連載第2回と第3回ではチューニングをかけていきました。
第2回では文字数の調整と、僕の文章の特徴である「~だが、」「~である。」を使わせるようにしました。
第3回では、まわりくどさをなくすべく、簡潔に書いてもらうよう指示を出しています。また、このタイミングで僕の性別、年齢、職業、趣味、好きなこと、嫌いなことなどのパーソナルデータを伝えて覚えさせました。ただ、そうすると例えば僕の好きな千葉ロッテマリーンズに関する記事ばかり書くようになってしまったので、「これらをブログのテーマに選ぶことはほぼありませんが、これに反する内容は執筆しないでください。」という指示を出しています(例えば僕は犬が苦手なので、犬がかわいいみたいなことを書かれると困る)。
この指示の出し方に気付いたのは我ながら大きかったです(書かせる指示ではなく、書かせない指示)。
この時点で最終的に出てきたAI記事は以下です。内容はともかく、簡潔な感じになってボリューム感は近くなりました。
今日の昼休み、料理をした。新しいレシピでオムレツに挑戦したが、うまくいかなかった。卵をフライパンに入れた瞬間、猫が足元に絡んできて驚いた。手が震えて、卵がフライパンの外に飛び出した。
床には卵が散らばり、猫はそのまま逃げた。仕方なく、もう一度やり直した。二度目は成功。フワフワのオムレツができた。食べ終わる頃、猫が戻ってきて膝の上に座った。特に何も言わず、ただ座っている。
この出来事で、完璧なオムレツを作るのは難しいと感じた。失敗も楽しむことが大事だと改めて思った。明日はもっと簡単な料理にしよう。
■もっとコラムっぽさを入れたい
とはいえ、今のところまったく面白くない文章なので、少しやり方を考えました。
連載第4回では記事サンプル数を増やしています。追加で半年分を学習させ、これで計9か月分ほどの記事を読ませています。第5回ではユーモアを足してただの日記から脱却すべく試行錯誤をしています。また、さらに3ヶ月分をサンプルで読ませました。これで計1年分を読ませたことになります。
この段階での最終的なAIコラムが以下ですが、一進一退という感じです。
今日、近所の公園を散歩していると、奇妙なオブジェを発見した。芝生の真ん中に、どう見ても巨大な洗濯バサミが立っているのだ。「これは一体何だ?」と驚きながら近づくと、通りすがりのおじさんが「それは『自由の象徴』だよ」と教えてくれた。なるほど、確かに自由すぎる形をしている。
僕にはどうしても洗濯バサミにしか見えないが、アートの解釈は人それぞれだ。周りの子どもたちも不思議そうに見上げている。もしかしたら、彼らには全く違うものに見えているのかもしれない。
それにしても、こんな場所に突然現れるとは思わなかった。思わず写真を撮って友人に送ったところ、「本当に公園にあるの?」と驚かれた。確かに、普通の公園に巨大な洗濯バサミは場違いだ。
帰り道、アートとは何かについて少し考えたが、結局答えは出なかった。次回もまた何か面白いものを見つけられるかもしれない。ま、僕の芸術センスが足りないだけかもしれないけどね。
■AI自身に考えさせる
連載第6回ではやり方を変え、改めて僕の記事の特徴や僕自身のことをAIに分析させました。AIに「私のことを分析してください」と指示して出てきたレポートを読むのはなかなかむず痒い経験です。
そのうえで、「分析した特徴を模倣してください」という指示で再度書かせたのですが、残念ながらそれでも改善がありませんでした。そこで、今度はAIが出してきたコラムを同じテーマで僕がリライトし、その違いをAIに分析させました。このやり方は我ながらいいアイデアだと思いました。そのうえで再度AIに書かせたものが以下です。
今日は久しぶりに公園を散歩していたら、突然の雨に降られた。
急いで木陰に避難して雨宿り。雨が止むまで暇だったので、スマホでネットサーフィンをしていた。ふと見上げると、すぐそばのベンチに新しい看板が立っているのに気がついた。
「ここで地域猫に餌をあげないでください」と書かれている。最近、猫を見かけることが増えた理由がこれか。なるほど、と納得しつつも少し寂しい気持ちになる。
雨が止んで散歩を再開すると、猫が一匹近づいてきた。雨に濡れて少し不機嫌そうだが、やっぱりかわいい。今後もこの公園で猫に会えるといいなと思った。
家に帰る頃にはすっかり晴れていて、何事もなかったかのような空模様。雨に振り回された散歩だったが、少し得した気分だ。
近づいてきたような気もしないでもないですが…もうちょっと劇的な違いが出るかと思っただけにがっかりです。
今回だけでなく、この後ずっと違いはわかるのに反映できない。というジレンマに悩まされることになります。違いを分析させるとちゃんとどこがどう違うか理解できているのです。なのに書かせると変わらない。「なんでわかってるのにできないの!?」と声を荒げたくなります。人間相手なら「そういう人もいるよね」ともなるかもしれませんが、相手は機械です。
■さらにチューニング
連載第7回、第8回、第9回ではとにかくチューニングを続けました。
第7回ではとにかく様々な指示を出して変化が無いかを調べました。この記事の中では20パターンほど試したと書いていますが、実際はそのあとも試していますのでおそらく30ほどは試しています。
第8回ではさらに細かい指示を出して、なんとなく近くなってきたというところまで来ました。
第9回ではここまでの苦労がようやく報われたかのような「それっぽいもの」ができています。あくまでそれっぽいものですが。ここまで来るのも本当に大変だったんですから。
では、以下、それっぽいものです。どうぞ。
家の掃除をしていると、古い写真アルバムを見つけた。
これは学生時代の写真が詰まったアルバムだ。懐かしい気持ちでページをめくると、若い頃の自分が目に入る。特に、あの奇抜な髪型と派手な服装の写真には苦笑いが出た。あの頃は自分ではかっこいいと思っていたのだ。
さらにページをめくると、友人とふざけて撮ったイタいポーズの写真が出てきた。例えば、バンドの真似をしてギターを構えた写真だが、ギターを持っていない。即ち、エアギターである。
そんな写真を見て、思わず笑ってしまった。いつかまたエアギター大会に出たいと本気で考えた。
まだ全体的に描写が細かいなど気になるところはありますが、このクオリティが安定して出せればだいぶよさそうです。
■現状の到達点とこれから
連載第10回では、第9回で出たクオリティのものが安定して出せればと思い、まとめて10記事を書かせました。
細かいアウトプットは当該記事を見ていただくとして、正直クオリティにばらつきがあります。というか、上のエアギターの話を超えるクオリティのものが出てきません。結局は薄っぺらい話になってしまっていたり、ただの日記だったり、そもそも意味がよくわからなかったり。
記事のボリューム感や書き方を寄せることはできましたが、その人独特の発想やユーモアといった「人間らしさ」というところが今の生成AIには非常に難しいようです。これ以上寄せるには結局1記事1記事に対してチューニングを行う必要がありそうです。反対に言うと個別にチューニングさえ行えばそれなりの「それっぽいもの」が出せますが、それでは全自動には程遠い。
実は第10回をアップした後もいくつかアプローチはしています。第10回からさらにチューニングをかけたらどうなるかとか、5年分ひたすら読ませたらどうなるかとか。
記事を10本書かせ、「このうち私の記事に最も似ている記事はどれですか?」→「その記事を基に、さらに私の記事の特徴となる要素を追加して10本書いてください」→「このうち私の記事に最も似ている記事はどれですか?」→(以下繰り返し)と、勝ち抜き戦みたいなことをやらせたりもしました。
ただ、どれも今のところ劇的な変化が見られないというのが現実です。無料でできる範囲ではこのあたりが限界かもしれません。
引き続き考えてはいきますが、いったんここまでをAIコラムシーズン1とします。そう遠くないうちにシーズン2を開始するつもりではいますので、引き続きよろしくお願いいたします。
また、シーズン2の前に同じく生成AIを使った別の遊びをやろうと思っています。当サイトのコラムまたはXで告知しますので、引き続きよろしくお願いいたします。
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